暮らしの中の神事
おまいり・作法
参拝方法
参拝作法は永い間の変遷を経て現在「再拝二拍手一拝」(さいはいにはくしゅいっぱい)の作法がその基本形となっています。
神社に参拝する場合、どうしても形にとらわれてしまい、終始形式的になりがちです。
そこに、どう心を込めるか、また込めたほうがよいのかは、参拝される皆さんの心の持ち様ではないでしょうか。
そのためには、それぞれの作法の意味をわかって戴くことも重要です。もちろん、祈りの心は個々に違っていて当然ですが、参拝とそれにかかわる作法について、その「形」の前提にある「心」をわかって戴ければ幸いです。
手水の作法
古来より神社にお参りをし御神威をいただくためには、先ず自ら「心身の清浄」につとめることと考えていました。
参拝前の作法の一つともいうべき「手水」で「心身の浄化」のために手や口を清めましょう。
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①右手で柄杓ひしゃくを取ります。
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②水盤の水を汲み上げ、左手にかけて洗います。
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③柄杓を左手に持ち替え、水を汲み上げ右手を洗います。
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④再び柄杓を右手に持ちかえて、左手のひらに水を受けて溜めます。
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⑤口をすすぎます。柄杓に直接口をつけないようにしましょう。
静かにすすぎ終わって、水をもう一度左手に流します。
拝礼の作法
柏手は神さまに誠の心を捧げお陰をいただいてることに心から感謝して打つと良いでしょう。
(神社によっては特別な参拝作法を行っているところもあります。)
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①まず、神前に進み姿勢をただします。
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②背中を平らにし、腰を90度に折り、深く2回礼をします。
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③胸の高さで両手を合わせ、右指先を少し下にずらします。
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④肩幅程度に両手を開き、2回打ちます。
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⑤指先を揃えます。
最後にもう1回礼をします。
玉串拝礼の作法
神社でご祈祷や正式参拝などをお願いしたとき、神さまに玉串(たまぐし)を捧げます。
玉串は榊(さかき)などの小枝に、紙垂(しで)と呼ばれる和紙を付けたものです。
私たちの祖先は遠い昔から、榊に神々を招き、また神前に榊を供えてお祭りを行ってきました。
私たちは、神前に進み、玉串を通して自らの誠の心を捧げるとともに、神さまのお陰をいただきます。
玉串は「神に敬意を表し、且つ神威を受けるために祈念をこめて捧げるもの」です。
心をこめて、拝礼しましょう。
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①右手で榊の元(根本)の方を上から、左手で先の方を下から支え胸の高さに、やや左高に、少し肘を張って持ちます。
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②玉串の先を時計回りに90度回します。
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③左手を下げて元を持ち、祈念をこめます。
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④右手を放して、玉串をさらに時計回りに回し、玉串の中程を下から支えます。
その後、二拝二拍手一拝の作法で拝礼します。
神社でのご祈願について
通常の参拝は、神社の前に進み、お賽銭を上げて拝礼をすればよいのですが、 ご祈願や、社殿に上がって正式に参拝する場合には、神社に予約の有無を確認し申込みをする必要があります。
神社に着きましたら、まず社務所や授与所(お神札やお守りを授与する所)に初穂料を差し出し、所定の用紙などに住所、氏名、ご祈願の内容(願い事)を書いて参拝の申込みをしましょう。申込み受付を済ませると、神職が社殿にご案内します。ほどなくして、ご祈願のお祭りが始まります。
元来、神社では国家の安全や風雨順時、五穀豊穣など、公共性の強い祈願を行っていました。一方現在のような個人のために行う個人祈願は、平安中期頃の陰陽師による陰陽祓の活動によって始められたと考えられます。これが神道信仰のなかに入ってくるのは平安後期頃のことで、御祈祷師の活動によるとされています。それ以来、個人祈願は歴史的に様々な変遷を見せながら、現在のように神社の神職によるご祈願が一般的な形になっています。その内容は合格、安産、病気平癒、商売繁盛、寿命長遠、子孫繁栄など多種多様です。