
伊勢の神宮は一般的に「伊勢神宮」「お伊勢さま」「大神宮さま」などと呼ばれていますが、正式には「神宮」と称します。天照大御神を祀る皇大神宮(内宮)と、 豊受大御神様をお祀りする豊受大神宮(外宮)の両宮をはじめ、別宮・摂社・末社・所管社合わせて125のお社からなり、古来我々日本人の心のふるさととして親しまれてきました。
八百万の神々の中でも最も尊いと仰がれる内宮のご祭神天照大御神様は、皇室の御祖神、国の総氏神様として常に我々国民をお守り下さっています。神宮は全国約八万社といわれる神社の根本となるお社です。その神宮のお神札が「神宮大麻」です。
神宮大麻の「大麻」とは、神社でお祓いを受ける際に用いられる大麻からきており、神さまへの捧げ物やお清めの意味をもちます。数々のお祓いを重ねて奉製された神宮大麻は、我々日本人の御祖神である天照大御神様の尊い御神恩に感謝するために祀る大御璽です。
神宮大麻は、平安時代に諸国を巡った御師(おし・おんし)が全国各地で祈祷を行い、その印として「御祓大麻」を頒布したことに始まります。御師は神宮に奉仕する神職であり、参拝者の案内や宿泊の手配など、様々なお世話をすることで全国の崇敬者との橋渡し役を務めておりました。御師の活躍により江戸時代後期には全国の約九割の世帯が御祓大麻を受けていたと考えられます。 明治時代になり御師制度は廃止されましたが、明治天皇の思し召しにより、明治5年皇祖神の大御恵を戴くための大御璽として、神宮より直接全国の家々に頒布されることとなりました。その後、幾度の変遷を経て現在は全国の神社を通じて皆様に頒布されております。
新年を清々しく迎えるために、年末になると家の大掃除をし、神棚もきれいに整え、新しいお神札を受けます。伊勢の神宮のお神札「神宮大麻」と、地域の神さまである氏神様のお神札、また崇敬している神社のお神札をお祀りして、新年がより良い一年となるようお正月を迎える準備をしましょう。 神宮大麻は全国の神社でお受けできます。毎年年末近くになると、神宮より新しいお神札が届きますのでお近くの神社にお問い合わせ下さい。