祭式研修会(山形県神道青年会)
2019年3月1日
山形県神道青年会より、二月二十五日に開催しました「祭式研修会」についてお伝えいたします。
私達神職は例祭をはじめとする祭典や厄祓い、七五三といった祈願祭など日々神事を奉仕しております。神事は様々な行事で成り立っており、その一つ一つを滞ることなく、正しい作法で執り行うことが求められます。これら作法のことを「祭式」といいます。
しかし、いつの間にか姿勢や作法が我流になっていくことは少なくありません。こうした姿を改めて見つめ直し、正しい所作を再度身につけ、各々の神社で奉仕できるように定期的に祭式研修会を行っております。
今回の祭式研修会は、山形県神社庁祭式講師の辻省三先生(伊勢両宮宮司)に「後取(しどり)の作法と典儀(てんぎ)」についてのご指導いただきました。
「後取」と「典儀」とは?
祭典を執り行う上で、奉仕する祭員には役割が分担されます。
「後取」は祭典中に必要な机(案)や敷物(薦)を持っていく係です。
「典儀」は祭典の司会進行役です。神社によって「典儀」がいる場合といない場合があります。
私達のような若手神職は、この「後取」を任せられることが多くあります(複数兼ねる場合もあります)。今回は改めて「後取」の作法を学び直し、奉職する神社や助勤奉仕の祭典でしっかりとした神明奉仕に繋げられるようにと、研修部が企画しました。
主な後取
- 祝詞後取(のりとしどり)
- 玉串後取(たまぐししどり)
- 案後取(あんしどり)
- 薦後取(こもしどり)・・・など
まずは基本動作から・・・
研修会ではまず、基本動作の確認から行われました。これは神前奉仕における「敬礼作法」や「起居進退」の作法のことです。行事を進行する場合、その時、その場所によって敬礼の仕方や一歩目に出す足、向きの変え方が変わります。基本ではあるのですが、出しやすい方の足から進めたりと我流になってしまうことが多くあります。基本動作はすべての神事に通じる重要な作法です。
続いて「後取」と「典儀」についての研修に入りました。祭典では多種の祭器具を用いて執り行われます。それぞれに向きがあり、また扱い方があります。それらの説明、手本を見せていただき、参加者皆で総復習を行いました。
「典儀」については会員同士の情報交換を行いました。「典儀」については決まった形式というものがなく、いざ頼まれた場合にどのような文言を使うべきが悩むことが多くありました。「典儀」を置かずに神事を行う場合もあれば、次第だけを読み上げる、一般の参列者にも分かるよう多少の説明をいれる場合もあるようです。今回の研修会では他の会員が参列者の方を考慮し、どのような言葉遣いで行っているかを参考にする良い機会となりました(早速真似させてもらいたいと思います)。
最後に・・・
辻先生から「祭典の前には詳細な打合せを行い、祭器具の不足がないかを厳重に点検し、しっかりとした心構えをもって祭祀に勤しむこと」をご指導いただきました。私達は奉職する神社だけではなく、助勤として他の神社に奉仕することも少なくありません。神社の造りも違えば、扱う祭器具が異なることもあります。怠ることなく事前準備をすることにより、奉仕するどの祭典でも適切なタイミングで動き出すことができ、乱れなき祭典奉仕がつとまるのだと思います。
「こころはかたちを求め、かたちはこころを進める」という教えがあります。これからも一挙手一投足に気を配りながら神明奉仕をして参りたいと思います。
山形県神道青年会