御城稲荷神社 初午祭
2012年2月4日
稲荷神社という神社はみなさん聞いたことがあると思います。
五穀豊穣・商売繁盛のご利益がある神社です。
2月の初めての午の日には全国の稲荷神社で初午祭というお祭があります。
このお祭は、全国の稲荷神社の中心である伏見稲荷大社が神降りた日が2月の初午の日であったことから行われるようになったそうです。
鶴岡市の中心にある鶴ヶ岡城址にも御城稲荷神社が鎮座しています。
お城の東隅に位置しており、お城時代の唯一の建物です。
2月3日初午の日、お祭りが行われました。
鶴岡は大雪が続き、朝から除雪作業に追われていました。
雪の中に朱色の鳥居がとても綺麗です。
崇敬者の方にもご参列いただき、神事がとり行われました。
中には、お家の敷地の関係でお祀りできなくなってしまったお社を、こちらにお遷ししてお祀りされている方もいらっしゃいます。
お供え物には、お稲荷様の前立のおきつね様の大好物の油揚げもたくさんありました。
もちろん旬の鱈汁もお供えしました。
御城稲荷神社は創建されて303年目を迎えました。
お城時代は、お城の中にあったので一般の方がお参りすることはできないのではないかと思っていました。
しかし、この神社は違いました。
例祭日とこの初午祭のときはお城の門が開き、農民・商人などの一般の方のお参りができたのです。
その日になるとたくさんの人々がお参りのために並び、その列は何百メートルにもなったそうです。
明治に入り、お城は解体されました。
神社もお城の一部ですので、一緒に解体されてしまうのですが、市民の崇敬が厚かったため残されました。
もし、お城の門が閉ざされたままだったら現在まで残る事はなかったかもしれません。
伝えること、残していくことはとても大変なことですが、今生きている私たちが後世にしっかりと伝えていかなければならないなと思ったお祭りでした。
庄内通信員 W・I