平塩熊野神社 例祭
2018年4月21日
(表参道)
県内屈指の古刹、寒河江市平塩の熊野神社(建部真也宮司)では4月3日に例祭が行われました。
(渡御行列)
創建は養老5年(西暦721年)。僧行基によってこの地に勧請されたと伝えられています。
村山地方では一年で最初のお祭りであることから「春を告げるお祭り」として、また遠く奈良時代の天平文化にその発端が見出せる「平塩舞楽」を奉納することでも知られています。
太古のアジア各地の故実や言い伝えを今に残す舞楽は、中国・朝鮮半島を経由し、奈良の都から貴族的・仏教的・国際的な特色を持つ天王寺系舞楽として各地へと伝播していったそうです。
(譜面)
演目は、以下の十番
一、振鉾(えんぶ)
二、散手(さんじゅ)
三、貴禄(きろく)
四、二の舞(にのまい)
五、太平楽(たいへいらく) ※閏年のみの奉納
六、三臺塩(さんだいえん)
七、還城楽(げんじょうらく)
八、抜頭(ばとう)
九、蘭陵王(らんりょうおう)
十、納蘇利(なそり)
平塩舞楽は4月2日・3日の熊野神社の例祭に奉納されます。演目は十番で、「三臺塩」「還城楽」「抜頭」の三番は、地元平塩の氏子から選出された小学2年~4年生までの男子から稚児舞演者が選ばれ、絢爛雅な衣装を纏い、手鞠花を付けた冠で、風車をクルクルと回しながら舞う姿を堪能できます。
当日の稚児たちは汚れの無い身体で舞を奉納するため、社務所から地面(土)に足をつけることは出来ません。大人の肩に乗った稚児たちは祓所で御祓いを受けて舞楽殿に上がります。その姿は優雅な趣があり、また愛らしさが漂います。
平塩舞楽の舞はテンポがゆったりとしていて素朴古風と評されています。貴重な民間芸能として昭和54年5月28日に県の指定無形民俗文化財に指定され、地域の皆さんの手で今に伝えられています。
神社のある平塩の地は、太古より塩泉が湧き出し、先人たちの定住の地でありました。この塩泉は今も湧き出し、この土地の人々を清らかに守り続けています。
このお祭りが終われば花々が咲き出し百花繚乱の季節となり、いよいよ本格的な農耕が始まります。
平成30年11月10日(土)には国立劇場での特別講演に出演予定だそうで、関係者の士気も一層の高まりを見せていました。
※ 公演日程: 平成30年11月10日(土) 午後2時開演
※ 舞台稽古: 公演前日 時間未定
※ 場 所: 国立劇場小劇場(590名収容)
鬼尚