おかゆ祭
2011年10月20日
酒井家17代忠明様の御歌
「大鍋を神に飾りて浜中の 粥座の祭り今に尊し」
酒田の浜中に鎮座します石船神社には、粥座神社という小さなお社があります。
毎年外で行われているのですが、この日は強風のため、石船神社の中で行いました。
御祭神は酒井家10代忠器公です。
江戸時代後半(文政11年~天保4年)に起こった「大凶作」の時に、藩主忠器公から賜わったお米を境内に大きな鍋をすえて、「おかゆ」を炊いて一人の餓死者も出なかったそうです。
実際使った鍋です。
そしてこの絵がおかゆを炊いて市民に配った時を絵にしたものです。
左側に並んでいる様子が描かれています。
その感謝の気持ちが受け継がれて、このおかゆ祭りが現在も斎行されています。
この時のお米は「永久貸付」として、返上無用とし、
「領民の飢えは我が飢え」
とした藩主忠器公の善政には尊敬以上の畏敬を感じます。
お祭の神饌(お供え物)もさすが浜中!といった感じで、海の近くなのでお魚の立派なこと!
そして祭具もすごいのです。
大麻(おおぬさと読みます。お祓いの道具です)の支えの部分が一般的には木でできているのですが、ここのものは貝でできていました。
そして神事が終わり、直会(会食)がすごいのです!
全て手作り、
3品(おでん・口細カレイ・酢の物)と、
お餅(あんこ・すまし)と
メインのおかゆです。
一般的にはお赤飯だと思いますが、ここはやはりおかゆなのですね。
たくさんいただきまして、お腹がめんぶくれそう(庄内弁でお腹がはちきれそうという意味です)でした。
庄内通信員 W・I